佛教音楽を楽しもう!!! 『天台声明を聴く会』


天台声明を聴く会

第30回 『天台声明を聴く会』
Vol.10 京都魚山聲明研究会公演

2016年(平成28年)5月22日(日) ~ 午後6時開演
◆ところ
雨宝山龍雲寺(桃山善光寺)本堂
  住所:京都市伏見区桃山毛利長門東町37
  電話番号:075-611-4854
◆出演
京都魚山声明研究会
群馬天台雅楽会
◆習礼曲目
四箇法要と天台雅楽の夕べ
 今回は、聲明法要として最も厳粛な儀式とされる「四箇法要」をお唱えいたします。四箇とは唄[ばい]・散華・梵音・錫杖の四曲のことで、天平勝宝四年(752)の東大寺大仏開眼に四箇法要が修されたといわれ、また延暦13(795)年の比叡山延暦寺・根本中堂に於ける落慶供養にも用いられたともいわれております。特に延暦寺供養では、唄を唱える唄師(ばいし)は東大寺と法隆寺から出仕した僧侶で、散華を唱える散華師は、同じく奈良の元興寺と大安寺から出仕した僧侶が唱えられ、特に、平安以降盛んにつくられる講式のはじめに用いられ、また舞楽と併せて執行されることも多い曲です。今回は群馬天台雅楽会の皆様にご出仕いただき、声明と雅楽の優雅な調べに耳を傾けていただけたら幸いです。
京都魚山聲明研究会代表 須川實洽

第28回天台声明を聴く会
※第28回『天台声明を聴く会』風景
ばい
『勝鬘経』にある「如来妙色身 世間無与等 無比不思議 是故今敬礼 如来色無尽 智慧亦復然 一切法常住 是故我帰依」の偈文のうち「如来妙色身 世」を序曲旋律で唱える。これは相伝の秘曲とされ、熟練した聲明師のうち、唄匿許可状をもつ唄師により独唱される。数ある聲明曲のなかでも、特に長々と声を引くことから、唄は唱えるとは云わず「唄を引く」という。本来は譜本の他見を避けて、屏風で囲まれた別席で誦されたものである。偈文の内容は、仏の円満なる相好と広大無辺なる智慧を讃歎するものである。
散華さんげ
仏を道場に迎え、香を焚き華を散らして供養するときに唱える曲で、上中下の三段から成る。上段は『金剛頂経』の「願我在道場 香華供養仏」(我れ道場に在って仏に香華を供養せん)、下段は『法華経』の「願以此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道」(讃仏の功徳が遍く一切に及び、全ての生きとし生けるもの全てが仏道を成就できるように)との意味である。中段は、本尊の徳を讃える段であるから、釈迦・弥陀・薬師など本尊により異なる。
梵音ぼんのん
八十華厳に出る文章「十方諸有勝妙華 普散十方諸国土 是以供養釈迦尊 是以供養諸如来 出生無量宝蓮華 其華色相皆殊妙 是以供養大乗経 是以供養諸菩薩」を唱えて、浄音を仏法僧の三宝に供養する意である。
錫杖しゃくじょう
インド伝来の鳴らしもので、行乞のとき蛇や毒虫を追い払うために使用されたという。後に、転じてこの錫杖の音に依り、煩悩を除き三界の苦しみから逃れるる意となった。聲明曲としては九条錫杖と三条錫杖の二種あって、四箇法要には三条錫杖を唱える。
◆次第(プログラム)
解説・代表
先 須川 實洽
次 道楽
 雅楽
次 入堂
下座入
次 唄匿
 始段唄
次 散華
 願我在~場(香花)→供養佛
次 対揚
初句・護持・伽藍・終句
次 表白
次 雅楽
迦陵頻
次 梵音
一行目~二行目
次 雅楽
胡蝶
次 錫杖
一行目~二行目 示如實道→供養三寶
次 佛名
起立之唱
次 教化
三行目「一乗」~
最終句「講」略
次 雅楽
ご挨拶・龍雲寺住職
次 本多 実信
次 出堂
道楽
●導師 龍雲寺 本多実信 ●唄匿 方廣寺 木ノ下寂俊
●梵音 松林院 須川實洽 ●錫杖 鞍馬寺 信楽香爾
●佛名(三頭) 法傳寺 岸 舜栄 ●教化 高蔵寺 福井邦憲
●佛名(二頭) 法輪院 本郷泉観 ●佛名 戒光院 高山良彦
●佛名 華徳院 大道観健 ●佛名 池上院 穴穂行仁
●散華 無動寺 前田浩紀 ●対揚 東陽院 齋藤良成
●対揚 龍雲寺 本多寂信 ●対揚 方廣寺 木ノ下寂優
●対揚 清田寂深
■ プロフィール
 当会は、天台伝統法要の厳修と日本伝統音楽の継承を目的に、天台雅楽会に所属する群馬県内の僧侶が、宮内庁式部職楽部の先生より指導を受け、平成15年4月より吹き物・打ち物を、平成25年からは弾き物を勉強しております。
 演奏活動としては、晋山式しんざんしき(新しい住職の任命法要)、落成・施餓鬼法要など寺院での演奏、県内小学校での伝統音楽「雅楽」の紹介、県内外で開催される「ふれあいコンサート」(被災地等)に参加しています。
■ 本日の雅楽について
 雅楽は、朝鮮半島や中国大陸などのアジア大陸から伝来した音楽や舞に、奈良時代以前からの日本古来の歌や舞が加わり融合、それが日本化し伝承されてきた日本古来の音楽です。ほぼ十世紀(平安時代中期)に現在の形が完成し、主に朝廷や貴族社会・寺社等で演奏されるようになり、仏教儀式での雅楽は、声明と共に「華麗で荘厳な仏国土を想起させる」重要な役割を果たしてきました。天台宗の法要もまた、法要次第に雅楽演奏が附されています。しかし、雅楽を伴う法要は、雅楽師の手配等、要件が調わなくなかなかできないのが現状であります。
 現在、雅楽で有名な曲として「越天樂」が挙げられますが、その「越天樂」は平調ひょうじょうの曲です。平調の旋律は平安時代に好まれたらしく、それに詞章を当てはめた越天樂歌物うたいものも生まれ、越天樂今様いまようとして残されています。福岡県の「黒田節」はその民謡化したものです。
 今回は平調の曲を演奏いたします。本日使われる楽器は「吹き物 … 鳳笙ほうしょう篳篥りきひち龍笛りゅうてき 弾き物…琵琶、楽箏がくそう 打ち物…鞨鼓かっこ、太鼓、鉦鼓しょうこ」です。以下、演奏曲目と簡単な説明です。
 【式衆入堂】 平調「越天樂」
前述の通りです
 【雅楽演奏其の一】 平調「陪臚ばいろ
奈良時代752年に東大寺大仏開眼法要で演奏された曲です。唐招提寺で毎年五月十九日に行われる梵網ぼんもうえ会には、必ずこの曲が奉納されます。
  平調「越天樂」
前述の通りです。
 【雅楽演奏其の二】 平調「皇ジョウおうじょう(急)」
元々は舞の付く曲でしたが、平安末期以降には舞は失われてしまいました。現在は楽のみ伝わり,急の部分が社寺の儀礼楽に用いられます。皇?とは、中国にあるおうじょうだに黄?谷という渓谷の名前です。そこで戦死した王孝傑という武将を悼んで作られた曲とされています。
 【式衆退堂】 平調「五常樂ごしようらく
雅楽の楽曲の中では越殿楽と並んで最も管絃演奏されることの多い曲で、「五常」といわれる仁・義・礼・知・信(人の守るべき道徳)を五つの音に配した曲と言われています。
■ 声明と雅楽演奏
法要の途中に声明と雅楽を一緒に演奏することを「附楽つけがく」または「附物つけもの」といいます。「附楽」とは雅楽曲を声明に重ねて演奏する形であるのに対して、「附物」は声明の旋律とほぼ同じ旋律をなぞりながら吹奏する形をいいます。どちらも普通に演奏される雅楽と違い、声明と楽が互いの節附物のある声明は、前述の通り現在では特別な法要でしか演奏されませんので、聴く機会は滅多にありません。唱える声明と、絶妙のバランスで奏される雅楽をお聴き下さい。
代表 田中浩道
◆天台声明を聴く会 護持者(五十音順)
相﨑晉一郎 赤松健一 赤松弘次郎 稲田竜太 今村愛作 今村麻知
岩田克己 巌田斎 内堀孝之 大羽幹雄 小田嶋翼 笠松高史
笠松真衣 笠松美咲 片山利雄 片山以津子 合掌直彦 川上俊之
瓦達雄 瓦陸雄 木原京子 木原茂成 木原由稀 粉川剛
小西直人 清水順子 清水寅三 志水靖明 鈴木久男 髙田正三
髙田みつる 高橋壮司 田中健志 田村佐起三 田村邇子 田村和子
田村真紀 田村道子 田村元起 田村綿絵 土口哲光 土口美代子
原田礼造 東原叔之 廣瀬善彦 松田奈々 森愼吾 森岡匠
吉家國雄 計50名 NPO京都高瀬川繁栄会 計1社
『天台聲明を聴く会』-四箇法要と天台雅楽の夕べ-
それではまず『天台聲明を聴く会』-四箇法要と天台雅楽の夕べ-の簡単な説明をお願いします。
穴穂和尚(以下 穴)
今回の曲目「四箇法要しかほうよう」は主に四つの曲目で構成されております。「ばい」「散華さんげ」「梵音ぼんのん」「錫杖しゃくじょう」という四つで構成しているので「四箇法要しかほうよう」と言われています。 これは天台宗だけではなく、他の宗派でも行われている・・・と聞いております。一番、有名なのは奈良の大仏様で有名な「東大寺」です。大仏様の開眼法要の「四箇法要しかほうよう」は舞と雅楽がついた大掛かりな法要であったそうです。
穴穂和尚はどういう役割をしていたのですか?
今回、私は決められたソロPARTがありませんでした。その代わり、他の人達との調和を大切にしつつ、一緒に唱えておりました。『天台聲明を聴く会』は「耳」で唱えております。周りの人との声を聴きながら、唱える。自分だけが勝手にお経を唱えないように、「耳」で唱えます。
全体の感想を、良い所、悪い所をお願いします。
一般的に「四箇法要しかほうよう」と言っても実は二つしか唱えないことがよくあります。 「梵音ぼんのん」「錫杖しゃくじょう」は略して、 「ばい」「散華さんげ」だけですますことがよくあります。 でも今回の「天台声明を聴く会」では、四曲ともお唱えさせてもらいました。 ただ全部を唱えると1時間ぐらいでは到底及ばないので、部分部分を端折っております。ですが、全部を唱えられたのは自分にとって良い経験となりました。 悪い点は「練習不足」かな(笑)私はまだ経験不足もあるのですが、その中でも良く歌う曲ははっきりと声を出しますが、歌わない曲だと声が小さくなってしまいます。そう言う「練習不足」がありますね。
会が終了後、思った事は?また他の人と話した事はなんでしょうか?
一番は足が痛かったかな。他の人は解らないのですが、会が終わってホッとしました(笑) あと、音がズレていました。自分だけなら良いのですが、 自分がズレることによって他の人の音程までもくるわしたのではないかと思い、悪い事をしました。 会後、「あの時はすみません」と言っておきました(笑) また今回ソロパートを担当されました皆様は、普段あまりお唱えしない曲目をさらりと唱えられ、 すごいの一言です。個人的には、私は音痴ですので普段お唱えする声明さえとても緊張します。 緊張すると本当に声が出ないんですよ(笑) そのプレッシャーと戦って、撥ね退ける為にはどうすればいいのか? それは努力だと思います。努力して、練習し、そこからうまれる自信を付けることが出来たならば、プレッシャーに負けず、いい緊張感をもてるんではないでしょうか。 少しでも早く会の皆さんに認めて頂くようにと思っています。
最後に来年の『天台聲明を聴く会』への意気込みをどうぞ。
ちゃんと唱えられるよう、また耳を傾けておられる参拝の方々にとっては「心落ち着いたな」と思ってもらえれるよう、精一杯頑張ります。
本日はありがとうございました。
語り:穴穂行仁 和尚

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